チョップ

前提条件

今回は他の技に比べるといくらか易しめの技「チョップ」です。とても見栄えのいい技で、パフォーマンスではよく使われます。チョップといっても、動きの速い遅い、大きい小さいなどバリエーションはたくさんあって、やる人によって見た目も全然異なります。ここで扱うチョップはすべて私を手本にしたものです。最後には、私以外の人のチョップのムービーも載せますので、それらを参考に自分の好きなチョップを目指すといいでしょう。

チョップの基本的な動き

まずはチョップの基本的な動きからです。1本で簡単にやってみましょう。まず右手でチョップをする場合です。左手にクラブを一本持ち、そこからカスケードより少しインナーフラット(※)ぎみの軌道で右手に投げます。次に右手でそのクラブをキャッチして、そこからクラブを外側に向けるように手首を返して、ふりかぶります。そこから内側に向かって振りおろし、右手が下までいって戻って来ると同時にそのクラブをインナーフラットぎみになるように投げて左手でキャッチします。(インナーフラット"ぎみ"という表現がわかりにくいですが、完全にインナーフラットでは手の甲を上にして投げますが、この場合は手のひらが上です。体に平行に投げるという意味でこのような表現にしました。)

ここで重要なのは、右手でクラブをキャッチした後、ひじの位置をあまりに変えずに振りかぶることです。振りかぶるときに大きくひじを動かしてしまいがちですが、それではタイミング的に間に合わなくなります。ひじの位置は動かさずに、ひじから先の腕を外側に向けて動かし、さらに手首を外側に返すようにして、クラブのヘッドが自分の真横より後ろの方を向くようにします。そこからさらに、ひじの位置は動かさずに、ひじから先の腕を内側に向かって振り下ろします。(ここをあえて大きくするやり方もあります。この場合、比較的大きくゆっくりなチョップになります。)ひじから先の動きをあまり硬くせず、クラブの遠心力で振り回すような感じになります。

また、クラブをキャッチするときに、より長めにクラブを持ったほうが(クラブのノブに近いほうをキャッチしたほうが)大きな動きになり見栄えもします。ただし、あまり長く持つと、次の章でのカスケードの中にチョップを入れる練習で、タイミング的に間に合わなかったりするので、はじめのうちは少し長めに持つ程度にするといいと思います。慣れてきたらだんだん長くしていってより大きなチョップにするといいと思います。

インナーフラット:クラブの回転が体に平行になるように内側を向けて投げること。

カスケードで1回チョップ

1本で動きを確認したら、今度は3本でカスケードをしながら1回だけチョップを入れてみましょう。 右手でチョップをする場合の説明をします。

カスケードからチョップしようとするクラブをインナーフラットぎみになげ、キャッチすると同時に振りかぶる動作に入ります。そして、左手でクラブを投げると同時に振り下ろします。左手でなげるクラブは振り下ろす腕の下を通すようにします。このとき左手で投げるクラブの回転が一般に速くなりがちです。普通のカスケードと同じ速さ、またはそれより遅いぐらいの回転で投げるように注意します。その後、普通のカスケードに戻ります。

おそらく、ここでの一番の問題点は間に合わないということではないでしょうか。左手で投げるタイミングと右手を振り下ろすタイミングが一致せず、右手が振り終わったころには、もう左手で投げたクラブが1回転し終わっていて、右手でうまくキャッチできないという感じです。原因のひとつにキャッチしてから振りかぶる動作に移るのに時間がかかっている場合があります。ムービーを見てもらうとわかりますが、ほとんど振りかぶる動作をしながらキャッチをしているといった感じになります。キャッチをしてから振りかぶるといった感覚では少し遅いかもしれません。

また、もうひとつタイミングを合わせる方法として、若干左手で投げるクラブのタイミングを遅らせるというのもいいかもしれません。慣れてくればほとんどその必要もなくなるのですが、はじめのうちはそうやってみるのもいいかもしれません。私自身はそのように練習しました。

両手でチョップ連続の練習をする前に、これを両方の手でやっておくといいと思います。特にチョップを入れた前後のクラブ(上の場合、振り下ろすと同時に左手で投げたクラブ、振り下ろした後の右手で投げるクラブ)の回転が速くならないように、より正確に投げるように注意しましょう。

チョップ

ここまでできてしまえば、後は連続でやる練習です。やはりここでも少しずつキャッチ数を増やしていくというのがいいと思います。最初は2キャッチから始めて、10キャッチぐらいまで、少しずつ増やしていきましょう。その後は形をきれいにする練習をするといいと思います。特に左右の腕の振りの違いはなかなか直りません。ムービーを見てもらうとわかりますが、私自身もかなり違っています。そういったところを注意しながら練習していきましょう。

連続でやろうとすると、どうしても振りおろした後に投げるクラブの回転が速くなって、タイミングが間に合わなくなってしまうことが多いです。意識的にゆっくりな回転で投げるようにして練習しましょう。

自分のチョップへ

さて、基本的なチョップができたところで、あとは自分の好きなようにアレンジしていきましょう。振りかぶり方や、大きくゆっくりな動きのチョップ、コンパクトで速いチョップなど、やり方によって受ける印象がぜんぜん異なります。

私は2001年のJJFゲストステージでブライアン・パッツ氏のチョップを見ましたが、それはものすごく正確で速いチョップでした。チョップも極めるとそれだけでジャグラーを驚かせることができるようです。

最後に、いろんな人のチョップを載せておきたいと思います。みんな少しずつ違いがあるのがわかると思います。(だんだん増やしていきます。)