チンバランスカスケード
前提条件
- クラブカスケードがクラブに焦点をあわせずにできること
一本のクラブをあごの上に乗せてバランスしながら、3クラブカスケードをする技です。バランスするだけでもなかなか難しいので、かなり練習の必要な技です
チンバランスの練習
チンバランスの解説ですので、すでに出来る方は飛ばして次の章へどうぞ。
まずは、なんといってもチンバランスをよく練習しなくてはいけません。ふらつかずに30秒ほどできるようにすることを目標としましょう。具体的な練習方法を以下に示していきますが、その前に全体に通じて言える注意事項を三つほど書いておきます。
第一に、バランスを練習するときは足は動かさないようにしましょう。無理にバランスを続けようとして足を動かすのはよいことではありません。バランスが崩れたらすぐにまた最初からやり直しましょう。
第二に、できるだけ毎日練習をしましょう。1回にたくさん練習するよりも、毎日10分練習するほうが効率的です。
第三に、あまり無理して練習はしないようにしましょう。首を痛めたり、肩こりがひどくなったりします。肩や首が痛くなったら、その日の練習はやめて次の日にするべきです。
さて、それでは練習です。
チンバランスを初めてやる場合、いきなりクラブでやるのは少し難しいかもしれません。クラブは短い上に、上のほうが膨らんでいるために、バランスをしたときに頂上がその影に隠れて見えないからです。そこで、私がお勧めするのはデビルスティックです。クラブに比べると格段にやりやすいです。もしそういったものがなければ、新聞紙2枚ぐらいを、直径1~2cmぐらいに丸めて棒状にして練習すのもいいかもしれません。ただし、この場合ちょっと軽いのでその分難しくなります。
バランス道具の準備ができたところでさっそくやってみましょう。まずは2,3秒続く程度を目指しましょう。
姿勢は背筋を伸ばし足を肩幅ぐらいに開いて、しっかりまっすぐに立ちます。ただ、それほど姿勢について気にする必要はありません。きれいにバランスをしようと思えば誰でも自然にこうなると思います。
そして首をすこし後ろに傾けて棒をあごの上に立ててみます。視線は棒の頂上を見ます。最初は手を離した瞬間に傾きはじめて落ちてしまうでしょう。これはほとんどの場合、前後の傾きが原因です。バランスをしているとき左右の傾きは見てわかるのですが、前後の傾きはどっちに傾いているのかがすぐにはわかりません。何回かやっているうちに倒れる方向の傾向がつかめると思います。前に倒れるとか後ろに倒れるとかです。それに応じて少しずつ頂上の位置をずらしていきます。これは試行錯誤あるのみです。そのうちに少し安定する場所が見つかると思います。
2,3秒続くようになれば、あとはそれを維持する練習です。足は動かさずに、首や上半身の動きで傾きを直しながらバランスします。一度に上達するものではありませんので、少しずつ時間をのばせるように練習していきましょう。
ひとまず、10~20秒程度できるようになったら、今度は少し短めの棒を利用して練習してみましょう。新聞紙で作った棒ならば3分の2ぐらいに切ってバランスを練習してみます。おそらくだいぶ難しく感じると思います。この長さでしばらく練習し、ある程度感覚がつかめてきたら、もう一度もとの長い棒に戻ってみてください。かなり楽にバランスができるようになっていると思います。
その後も少しずつ棒を短くして練習していきます。クラブと同程度の長さにして出来るようになれば、クラブを利用したバランスもだいぶ安定してできるようになっていると思います。クラブで30秒ぐらい安定して出来るように練習しましょう。
今回はチンバランスカスケードが目標なので、クラブでバランスができるだけでは、ちょっと力不足かもしれません。できればさらに短い物でも練習しましょう。私はバランスのみの練習にはA4の紙を丸めて使っています。だいたいクラブの3分の2ぐらいの長さになり、また、軽いためになかなか安定させるのは難しいです。これで普段練習しているとクラブでのバランスはかなり楽にできるようになります。
チンバランスカスケードへのステップ1
まず最初に、ここから先の練習に共通して言える練習中の注意を書いておきます。
残念ながら人間は二つのことに同時に集中できません。バランスをしながら何かをするとき、どうしてもバランスに対する集中が一瞬切れてしまいます。初めのうちはクラブを投げようとしただけでもバランスを崩してしまいます。いかにバランスに意識を集中させるかが、チンバランスカスケードでは重要になります。ですから、以下に示した練習をするとき常に考えていてほしいのは「バランスが最優先である」ということです。クラブを投げて取ろうとしたとき、バランスしているものを落としてまでクラブを取っても何の意味もありません。逆に投げたクラブを落としてでもバランスを続けることには大きな意味があります。そして、そのためには常に焦点をバランスをしているものに合わせておくことです。このことが非常に重要になりますので練習の時には常に頭に入れておいてください。
最終的な感覚としては、バランスしているものに焦点は合っているが、意識は多少投げてるもののほうにあるという不思議な感覚になります。焦点さえ合っていれば、一瞬、意識がほかの方にいってもバランスを取ることができるような状態になっています。この辺の感覚を文字で伝えるのは非常に難しいのですが。
さて、それではチンバランスカスケードの練習です。いきなりカスケードをするのはあまりにも無謀なので、バランスをしながら少しずついろいろなことができるように練習をしていきましょう。
まずは、バランスをしながら手を動かす練習です。ボールを片手に持ってバランスをします。そしてもう片方の手にそのボールをただ手渡します。投げる必要はありません。これだけでも最初はバランスを崩してしまうでしょう。
最初に書いたように、できるだけバランスに集中しましょう。もしボールを手渡そうとしてバランスを崩しそうになったら、手の動きは止めて、バランスを続けるようにします。
手渡せるようになったら、次はボールを投げます。投げると言っても反対の手に投げ渡すのではなく、ほんのちょっと手から離して同じ手でキャッチします。
ほかにも、腕を動かす簡単な動きをやってみましょう。何も持たずにただ腕を軽く振るだけでもかまいません。ここではバランスを崩さずに他の動きをすることを目的としています。
このような簡単な動きがスムーズにできるようになったら次のステップへ行きましょう。
チンバランスカスケードへのステップ2
次はクラブを用いての練習です。最初はバランスをしながら、1本投げることから始めましょう。まず、片手だけを使って一回転させて取ってみます。一回転させるだけなら、視界にクラブが入らなくても取れるでしょうし、ステップ1の動きができるようになっていれば、それほど難しくなくできるのではないでしょうか。
次に、クラブを投げ渡す練習です。普段のカスケードの軌道で投げると、おそらく視界にクラブがちゃんと入ってこなくなってしまうので、多少ひじを上げて高めに投げます。キャッチする位置も多少高めになります。右手から左手、左手から右手両方が十分にできるようにしましょう。
チンバランスカスケード
1本の投げ渡しができるようになれば、あとは初めてクラブのカスケードをやったときのことを思い出して、同じように練習すればいいと思います。おそらく2本で右左、左右、と投げる練習をしたのではないでしょうか。バランスをしていることで難度はかなり高くなります。なるべく継続して練習するようにしましょう。
そして、3本でのカスケードですが、これはやはりフラッシュを成功させることから始めるのがいいでしょう。そして少しずつ回数を増やしていきましょう。途中でバランスを崩しそうになったらすぐにすべてキャッチしてやめることです。そしてまた最初からやりましょう。
当然のことですが、ここの段階が一番時間がかかります。ここでの練習でどうしてもバランスを崩してしまうようであれば、前のステップに戻り、ボールを手渡す、投げるなどの練習をよくやりましょう。
チンバランスカスケード・・・さらに
チンバランスカスケードは、もちろん手であごの上にクラブを乗せバランスをして、カスケードをはじめてもいいのですが、やはり4クラブファウンテンから入ると、とてもかっこいいものです。予想に違わずとても難しいのですが、チンバランスカスケードができるようになったら是非挑戦してほしいです。
4クラブファウンテンからチンバランスカスケードに入るには、クラブをキャッチしてすばやく、そして正確にあごの上に運ぶ必要があります。いきなり4クラブで練習するのは難しいので、3クラブカスケードからチンバランスに入る練習をするといい思います。できるだけ体をふらつかせずにバランスに入れるように練習しましょう。
チンバランスカスケードも、3クラブカスケードからのチンバランスもできるようになったら、4クラブファウンテンから挑戦してみましょう。重要なことは、確実にバランスをとることで、カスケード続けるのはその次です。クラブをあごの上に乗せた瞬間、ついカスケードを続けなくてはという意識があって、次に落ちてくるクラブの方に意識がいってしまうのですが、4クラブファウンテンさえきちんとできていればクラブはちゃんと手元に落ちてきます。ここでもやはりバランスを重視しましょう。
他にも、バッククロスやキックアップなどまだまだ技はあり、チンバランスカスケードはこれらの技のスタート地点に過ぎません。どんどん挑戦していきましょう。
最後に
この技を練習すると、人間が二つ以上のことに同時に集中できないということを、身にしみて感じることと思います。しかし、私たちは3ボールカスケードができるようになれば、歩きながらのカスケードもそれほど問題なくできてしまいます。それはおそらく「歩く」という動作があまりにも一般的にやっていることで、無意識にできることだからなのでしょう。きっとバランスも小さいときからずっとやっていれば、これと似たようなことになるのでしょう。あの人のように・・・。
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